「宇野バスのアイ」はじまります

宇野バスのアイテムを紹介するWeb メディア

「宇野バスのアイ」はじまります

創業から100 年を超える宇野バスが、これまでに培ってきたアイデンティティ(宇野バスらしさ)、そして快適で便利なバスの旅をしていただくためのサービスなど、お客さまに宇野バスをより楽しんでいただくためのアイテムを愛情込めてご紹介いたします。
第1回目は、宇野バスのアイデンティティの土台とも言える経営理念の話です。

「路線バス、一本」という覚悟

今から数十年前、先代社長・宇野仁治(以下「先代」)がバス以外に事業の多角化をするかどうか迷っていた時期がありました。そんな折、先代をかわいがってくださっていた当時の中国銀行頭取がこう言ってくれたそうです。「宇野さん。人間、小金がたまると浮気したくなるものだ。でも、世の中には、新しく始めようとする事業を本業として命をかけてやっている者がいる。そういう人と闘って、勝てるか。それより宇野さんが、命をかけて日本一のバス会社を目指した方がいいのではないか」と。先代も考えて、その通りだと思い、「おれは迷わずバス一本でやる」と決めたようです。

現社長の宇野泰正(以下「社長」)もかつて「高速バスはどうだろう?」と考えたことがあります。しかし「事業を拡大したときに、既存の路線バスに今まで以上に強い想いとエネルギーを注げるだろうか?いや、それはきっと厳しい。むしろ何かひとつでも極めれば、きっと他でも通用する。だから先代の想いを継いで、路線バス一本でいく。」と決意しました。

補助金はもらわない、「独立自尊」

自分で考え、自分の裁量でやりたいことをやる。それが世に評価されるかどうかが会社経営のおもしろいところだと思う。」と社長は常々口にします。それは福沢諭吉の言葉「独立自尊(自他の威厳を守り、何事も自分の判断・責任のもとに行う)」にもつながるものです。
時として自治体などの補助金は経営判断の足かせとなります。補助金をもらわないというのは、株式会社として事業を行う上でもっとも大事なことです。仮に補助金をもらえば、自治体などから様々な制約が出て、お客様に対して会社としての信念を貫き通すことができないことも有り得るのです。
また、補助金は一度もらうと“くせ” になると思います。毎年補助金ありきで予算を編成し、企業努力を怠るようになる。つまり頭を使わなくなり、知恵を働かせなくなり、とどのつまり、経営は悪化の一途を辿るだけ。
そもそも補助金の財源は大概多くの人々が汗水たらして働いて納めた血税です。そのような財源のお金をもらう資格が宇野バスにあるかどうか。
お金も人も、自力で、厳しい道を極めていくことこそが、まさに独立自尊の真髄です。

私たちの工夫を加えて、よりよいものを

私たちの商品やサービスを、私たちで考えて、付加価値をつけて、お客様に提供する。受け入れていただければ、それはこの上なくありがたいことです。リスクと背中あわせだからこそ、評価いただいたときの喜びもひとしおです。
お客様から「こういうのがほしい」と言われてやることもありますが、そのときでも、私たちの工夫を加え、よりよいものにして提供したい。私たちの商品やサービスをどう高めていけるかというところに、やはり私たちの仕事のおもしろさがあると思っています。
PTPS(バス優先信号システム)にしても、道路改良にしても、車内Wi-Fi も、自動運転の実験も、できるまでは決してあきらめませんでした。私たちがあきらめたら終わりだ。社員同士で励まし合いながら実現に取り付けました。
だれしも、人から言われてやるよりも、自分で目標を立てて、考えてやった方が絶対に伸びるものです。

自分の道は、自分でひらく。

高度成長の時代、先代はバスの車掌が不足するのを見こして、ワンマンバスへの道をひらいてきました。当時は田舎にいくと道がせまくて、車掌が降りてバックの指示をだしていました。でもワンマンバスになると車掌がいません。したがって、道を広くしなければワンマンバスにはできなかったのです。
先代は、岡山県や関係町村とかけあいました。用地買収や工事の費用をそれぞれが3分の1ずつ負担することで話をつけ、道をひろげ、橋をかけかえたのです。まさに障害物をどけて、自分の進む道をつくったのです。当時会社には借金があったようですから、さぞ大変だったろうと思います。
私たちも深夜バスやバスロケーションシステムなど、岡山で初となる新しいサービスをつくってきました。自分の道は自分でひらく。それが経営の醍醐味だろうと思います。


宇野バスのアイの初めての記事、いかがでしたでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回からも様々な宇野バスのアイテム、それにまつわる考えを紹介していきたいと思います。
楽しみにお待ちください。